絶対に見返したくない成人式の集合写真

成人式の時に、ヘアメイクでまさに「一生の記念」に残る大失敗をしました。

高校入学と同時に地元を出ていた私。
久しぶりに会う地元の友達から「さすが都会の学校へ通っている子は洗練されてるわ~!」と言われたかったのです。
振袖も気合を入れて選び、当日の髪型は雑誌を丸一冊買って研究し、「これ!」という理想のヘアスタイルを決めて、当日の朝、予約していた地元の美容室へ行きました。

私がリクエストしたのは、前髪をアップにしておでこを出しつつ、全体をゆるいウェーブでアップにした、いわゆる「大正ロマン」なヘアスタイル。他の子達とは一線を画す、シンプルかつ、粋な柄の入った私の振袖にもぴったりです。

唯一の気がかりは、普段から行き慣れたヘアサロンではなく、母の知り合いが経営する地元の美容室だという点です。
一生に一度の晴れ姿…。
果たして、私のイメージする「洗練された大正ロマン」を上手く表現して下さるかしら…。

とはいえ入ってみると、店内は、所謂マダム御用達の「理容院」ではなく、若者も通うおしゃれな「ヘアサロン」といった感じです。うんうん、大丈夫。若いお姉さんのスタッフもいるではないですか。

しかし、悪い予感は的中しました。

着付けが終わり、ヘアメイクの準備のために鏡の前のチェアに座った時です。
これまで担当してくれていたアラサーお姉さまではなく、何故かここに来て、ベテラン感が溢れるアラフィフマダムが「ご贔屓のお嬢さまだから」と、進んで担当を代わって下さったのです…。
母よ…オーナー美容師が直々に担当してくれるなんて、一体どんな頻度で通っていたのですか…。

私は持参した雑誌の写真を指差しながら、必死にイメージやニュアンスを伝えました。
マダムは自信満々に頷き、「とてもお似合いになると思うわ」と意欲的なご様子。

ほっとしたのもつかの間。
ヘアセットが進むにつれ、私は不安と後悔でクラクラして、失神寸前でした。

大正ロマンからは遠くかけ離れ、お水のように不自然にボリュームアップされてゆく前髪。
サイドはうっすらとウェーブがかっていますが、後ろから見ると、完全なる「夜会巻き」です。

しかし私には、マダムに手直しをお願いする勇気も、式の開場までの時間もありません。

ヘアメイクが完了した私は、濃いめの「ハレの日メイク」や、小粋な振袖の柄もあいまって、さながら「極道の妻」。
友人達と合流した際、別の意味で注目を浴びることになったのは言うまでもありません。

それ以来、友人や自身の結婚式など、ヘアメイクを予約する際には、「自分と感性が合いそうな担当者をきちんと指名すること」と、「事前の打ち合わせ」を徹底するようになりました。
そして我が家では、私の成人式の写真は「黒歴史」のひとつとして、誰にも見られないように厳重に封印されています。